CHAI WORKS

黒執事二次創作サイト。チャールズ・グレイ、エリザベス、劉など。

黒執事考察:ファントムハイヴ襲撃事件の黒幕は女王?

最近また黒執事にはまっておりまして、Amazonで1-29巻(2020年5月時点の最新刊)を一気買いしてしまいました。一冊約130円は安い。そして読んでいると、この物語はいろんなエンタメ要素がありつつも、やっぱりシエルが家族を殺した犯人に復讐する過程が核にあるんだなあと感じます。で、その襲撃事件の黒幕が誰なのかはいまだ明らかにされていません。

ネットでは兄シエル黒幕説も出ているようですが、私はヴィクトリア女王が黒幕なんじゃないかと思っています。今回はその理由について書いてみます。

 

ファントムハイヴ襲撃事件の真相予想

ヴィンセント・ファントムハイヴは何らかの理由(対ドイツ政策?)で女王の怒りを買い、襲撃され殺害された。実行犯は女王の馬蹄のジョン・ブラウン+α。攻撃の対象はあくまでヴィンセントだったため、シエル達には直接手を下さずカルト集団に売り飛ばした。弟シエルが生還したのは女王にとって予想外ではあったが、従順で有能な女王の番犬という駒があるに越したことはないので何事もなかったかのようにシエルに接している(ひどい婆さんだな・・・)。



女王黒幕説の根拠

・女王は英国の脅威となりうる存在を早期に察知し容赦なく排除する

Book of murderで女王はチャールズ・グレイに命じてドイツの銀行家のジーメンス卿を殺害しましたが、これはドイツ重工業の発展を阻止するためでした。と同時に、サーカス編で闇儀式の現場を勝手に焼き払った坊ちゃんへのお仕置きとして、殺人犯に仕立て上げようともしています。これに対してシエルは「女王の意図を読み違えれば僕は身の破滅だ」と明言しています。

このように、女王は英国の脅威になりそうな他国の勢力は容赦なく排除し、近しい人間でも自分に従わない場合は制裁を加える冷酷な一面を持っていることがはっきりわかります。



・ヴィンセントは女王の番犬の地位や女王の存在を絶対視していない

ヴィンセントは「伝統的な英国の名前が古臭いと言われる日が来るかもしれない」と意味深な笑みで呟いたり、「(兄シエルが家督を継げなくなったら)女王の番犬の地位ごと領地を女王に返還する」などと冗談交じりに言ったりしています。

こういう言動から考えるとヴィンセントは英国の伝統や自身の女王の番犬としての地位にあまり執着がないようです。新しい時代を見越していたとも言え、女王の命令は絶対、という盲目的な忠誠心もなかったのでは、と思います。なので何らかの理由で女王の命令に従わないことがあったのかもしれません。



・ヴィンセントはドイツとの関わりが深い

深いとまで言えるのかわかりませんが・・・ヴィンセントはドイツのディーデリヒ(この人ふだん何の仕事してるんだろう?領主様?)と頻繁に仕事のことでやりとりしていました。なのでドイツの事情に精通しており親友の祖国として尊重していた、のかもしれません。

そこで女王からドイツを貶めるための何らかのえぐい指示を出され、それに従わなかった、などの事件が起きたことはありえると思います。前述のようにヴィンセントは英国の国益や女王の命令だけを絶対視しているわけではなく、自分の考えに基づいて行動する人のように見えるからです。そのために女王の怒りを買い、暗殺されてしまったのかもしれません。



・女王の側近であるジョン・ブラウンの人外感がすごい

ジョン・ブラウンは常時ゴーグルを掛けて瞳を隠して(?)いること、尋常でない速度で移動できる描写があることから、死神もしくは人でないサムシングである可能性が高いです。死神だった場合、なぜ死神が女王に加担するのか謎ですが、もともと王族と関係が深い人物なのかもしれません。

こういう側近がいればファントムハイヴ家を滅ぼすことも不可能ではないでしょう。また、女王はこのようなスーパー下僕を手に入れたことで、女王の番犬が用済みになった=殺しても構わなくなったのかもしれません。
逆にジョンの方が女王をうまいこと操っている可能性もありますね。



・他の誰が犯人でもしょぼい感がある

散々人の恨みを買うような汚れ仕事を請け負ってきたヴィンセントなので誰に殺されてもおかしくはないんですが、この抜け目のないシエルパパが普通の人間に殺されるかぁ?という感じが否めません。変な話ですが、女王が黒幕なら物語的にある種の納得感があると思います。

他の可能性としては、英国の勢力を削ごうとしたドイツ関係者の仕業だったことも考えられますが、ならなぜシエル達を殺さなかったのか?という疑問が残ります。またその場合は女王側も犯人を徹底的に調査し報復したはずですが、そういう描写もありません。



・女王勢の「白」は「黒」執事の反対色

女王の側近のジョン・ブラウン、Wチャールズは一様に全身白の衣装をまとっており、何なら髪まで白銀でイメージカラーは「白」です。言うまでもなくこれは「黒」執事の反対色であり、セバスチャンやシエル達と敵対することを暗示しているように見えます。

いつかWチャールズとシエル達がガチバトルする日も来るのかも?と思うとけっこうワクワクしますね。エリザベスとグレイの一騎打ちとか見応えありそう。



女王が黒幕だとわかったら坊ちゃんはどうするのか?

サリヴァンに対してサリンの製造方法を女王に渡さないよう勧めるなど、弟シエルもパパと同じく女王の命令より自分の意志を重視するように見えます。とはいっても女王が自分の家族を殺した黒幕だと知ったら相当なショックでしょう・・・。

しかも女王に復讐するってことは祖国と自分を滅ぼすことでもあるわけなので。どう落とし前を付けるんでしょうか。死神が人間界に干渉するべきではない、ってことで死神(ジョンや葬儀屋)を掃討しておしまい、になるのかなあ。

ひとつ思ったんですが、女王が黒幕だったとしたらWチャールズはそのこと知ってるんですかね。知ってたらさすがにあそこまでピュアに「女王の御心のままに」って言えないんじゃないかなあ。

というわけで女王黒幕説を考えてみました。しかし、兄シエルと葬儀屋が襲撃事件と全く関わりがないとしたら、今坊ちゃん達がやってる兄シエルへの反撃は本筋(黒幕への復讐)からは逸れてるんですよね。どう収束させるんだろ。なんにしても早く先が読みたいです。